うつ病の薬を飲んでいます。
精神疾患と治療には、薬物療法も含めて幅があります。
精神的に安定していないうつ病の場合は相対的禁忌(個々の事案に対してダイビング専門医の判断が必要となる状態)に
当てはまりますが、薬物療法が行われているのでは状況は変わります。
薬の作用は陸上での効果を想定しています。
水中環境では不適切
水中では、循環器系、その他の臓器に圧力が加わり、さらにダイビング特有のガスの吸収も加わり、
影響を予想することができません。
高圧暴露は、どんな薬物でもその効果や結果に予想できない影響を持つ可能性があり、
医師の処方した投与量が意味をなさない恐れがあります。
陸上で完全に処方された薬でも、水中では、その影響が増加・減少するかもしれないのです。
また、副作用も圧力で変化するかもしれません。
投薬時のダイビングに関しては、一時的禁忌
(その問題が存在する場合にのみダイビングをしてはいけないもの、この場合、薬を飲んでいること)となります。
また、ダイビングでは内服しているその薬がないと平常心を保てない、
また身体的に異常をきたすといったような場合にはダイビングは行うべきではありません。
潜水適性を考えるにあたり、投薬内容も考慮すべきものの一つですが、
それよりもうつ病のコントロール状況がどうなっているかが重要です。
様々な理由によって精神が安定していなければ、トラブルの可能性が高くなります。
薬物療法もなく、医師の承認を得てダイビング仲間とも円滑にダイビングを行えていれば問題はありませんが、
自分自身や他の人への影響を理解することができない人はダイビングする許可は出すべきではありません。
うつ病の潜水是非についてゴールデンスタンダードはありませんので、主治医とよく相談されることを勧めます。