自然気胸と言われましたが、、、
以前のQ&Aで、“ダイビングができない病気はありますか?”というページにも記載している通り、
ダイビングを行うにあたり、ダイビングが出来ない病気・障害があります。
それらを「禁忌」と呼びますが、この禁忌は
①ダイビングが出来ない状態の絶対的禁忌
②医師の診断書が必要になる相対的禁忌
③病気または怪我が完治すればダイビングが可能になる一時的禁忌
の3種類に分けられます。
絶対的禁忌
気胸は、この中の絶対的禁忌にあたります。
そもそも気胸とは、肺の一部が破れてしぼみ、肺の中の空気が漏れ出し胸腔内に空気が貯まる病気です。
ブラやブレブと言って肺の一部や胸膜の一部に嚢胞状に空気が溜まっているものができ、
それが破れることが原因と言われています。
肺が破れてしまっているので、かなりの痛みを伴います。気胸は入院での安静や重症度によっては
手術が必要になるほど重い病気です。普通の生活にも支障をきたすため、普段の活動も制限されます。
特に原因となる疾患がない場合を自然気胸と呼び、背が高く痩せ型の体型の人は気胸を
起こしやすいことがわかっています。
気胸の要因など
要因としては喫煙歴、気圧の変化、大声で叫んだり、いきんだり、急激な圧が掛かる動作、
重いものを持ち上げる動作、楽器の演奏、飛行機、登山、ダイビングなどが気胸を
引き起こすきっかけになり得ると考えられます。
また、一度自然気胸を起こした人は治ったと思っていても、その肺が破れた部位は依然肺の層が薄く
破れやすいままであるため、気胸は再発することも多いです。
ダイビングでは水圧のかかる環境下ですので、陸上で呼吸するよりもより負荷がかかります。
気胸が再発すると緊張性気胸という命にかかわる状態になる可能性が高く、
そのようなリスクがあることを無視してダイビングを行うことはできません。
自然気胸は胸腔に空気が漏れ出ますが、呼吸に応じてその空気も出たり入ったりします。
しかし、緊張性気胸は自然気胸と違い、胸腔内に漏れた空気が出ていかず溜まり続け、
肺や心臓を圧迫してしまいます。
そのために呼吸困難や酸素欠乏の症状であるチアノーゼが現れ、意識レベルの低下にまで至ります。
ですので、自然気胸の既往歴を持つ方はダイビングは禁忌となります。