ダイビング器材にはどんなものがあるの?役割や選び方とは
ダイビングをこれから始めようと思っている人や、すでに何度かダイビングを経験したという人は、器材にも興味を持っているのではないでしょうか。
ダイビングを快適に楽しむためには、自身にフィットする最適な器材を選ぶ必要があります。
安全にダイビングを楽しむためにも、器材の種類やそれぞれの役割、自身に合った器材の選び方を学んでおきましょう。
レンタルや購入を考えている人に向けて、ダイビングで使用される器材について詳しくご紹介します。
目次
●ダイビングで使う器材の種類。役割や選び方とは
ダイビングで使用される器材には、基本的なアイテムから一般的にはあまり知られていないようなアイテムまで、さまざまな種類があります。
器材について知っておくことが、水中世界での安全を確保することに繋がります。
それぞれの役割と正しい選び方を把握しておきましょう。
●スーツ
スーツには、ウェットスーツとドライスーツの2種類ありますが、どちらも「浮力の確保」と「体の保温・保護」を目的に使用されます。
一般的な夏場のダイビングで使用されるのは、水着の上に着用するウェットスーツです。
スーツは、同じサイズでも素材やデザインによって使い勝手が異なります。
購入を検討しているという人は、実際に触って使い勝手を確かめながら選ぶと良いでしょう。
レンタルを希望する場合には、ダイビングショップでインストラクターに相談しながら、自身のサイズに合ったスーツを選択してください。
●マスク
ダイビング器材の中でも特に重要だといえるのが、マスクです。
マスクは、水中での視界の確保や目・鼻を保護する役割を持っています。
顔にぴったりフィットするサイズを選ばないと、隙間ができて水が入ってきてしまうので注意してください。
頻繁にダイビングをするという人は、レンタルではなく購入がおすすめです。
自分用のマスクがあれば、毎回、顔に合うサイズのマスクを探したりベルトを調整したりする手間が省けます。
マスクは5千円以内で購入できるものも多いので、今後もコンスタントにダイビングを楽しみたいという人は、購入を検討しましょう。
●シュノーケル
ダイビング中に使用することはありませんが、水面での移動や水面に出て船を待つ間などに使用されるのが、シュノーケルです。
マスクとシュノーケルのセットがあれば、水中の様子を確認したり、スキンダイビングやドルフィンスイムを楽しんだりと、さまざまな方法で活用できます。
口の小さい人がマウスピースの大きいシュノーケルを選んでしまうと、上手く咥えられずに呼吸を確保することが難しくなってしまいます。
シュノーケルを選ぶ際には、マウスピースが自身の口のサイズに合っているか、よく確認してください。
●フィン
フィン(足ひれ)は、水中での移動に役立つアイテムです。
フィンには、素足で履くフルフットタイプとブーツを履いて使用するストラップタイプの2種類があり、素材もゴム製からプラスチック製まであります。
フィンを選ぶ際には、サイズはもちろんですが、自身の脚力に合っているかを確認する必要があります。
脚力に見合わないフィンを選んでしまうと、上手く浮力を確保できなかったり移動できなかったりして、エアーの減りが早くなってしまうからです。
体に負担のかかるフィンを無理に使用すると脚がつってしまうこともあるので、十分に注意してください。
●ブーツ
脚の保護や保温に役立つのが、ブーツです。
ダイビングでは、岩場を歩いたり不安定な船の上を歩いたりします。
また、水中には危険生物もいるので、ブーツで脚を保護しておくと安心です。
ブーツには、足首を覆うロングタイプと、くるぶしまでの長さのショートタイプがあります。
ダイビングに慣れるまでは、しっかりと脚を保護してくれるロングタイプを使用しましょう。
底が厚いロングタイプのブーツなら、滑りやすい場所でも踏ん張りが効くので安心です。
小さいサイズのブーツを無理に履くと、動きが制限されるだけでなく、血行不良に陥って脚がつりやすくなってしまいます。
また、大きいサイズだと踏ん張りが効かないため、ケガの元になります。
ブーツを選ぶ際には、自身の脚に合うかよく確認してください。
●グローブ
ブーツと同様に、手の保護や保温に役立つのがグローブです。
危険生物や岩などから手を保護して、指先が冷えるのを防いでくれます。
グローブには、春・夏・秋の3シーズン用と冬向けのウィンターグローブの2種類がありますが、一般的なダイビングで用いられるのは3シーズン用です。
他にも、カメラを使用するために人差し指が露出したものや、水温が低い場所で使用するために厚手に作られたものなど、さまざまな種類があります。
ダイビングを始めたばかりであれば3シーズン用を選択して、慣れてきたら用途に合わせて最適なグローブを選びましょう。
●BCD
水中での浮力確保やライフジャケットとして役立つのが、BCD(Buoyancy Control Device)です。
シリンダー(タンク)を固定する役割も持つBCDは、ダイビングで重要となる中性浮力を調整するための大切なアイテムです。
BCDは、種類によって操作ボタンの位置や操作方法が異なるため、毎回調整するのは大変手間です。
ある程度ダイビングに慣れたら、マスクやフィン同様に、自分専用のBCDを購入しましょう。
レンタルで使用する場合は、自身の体格に合ったものを選択して、操作方法についても事前にインストラクターによく確認しておいてください。
●レギュレーター
シリンダー(タンク)から送られる空気を吸うために口に咥える器材が、レギュレーターです。
レギュレーターは、水圧に関係なく快適に空気を吸えるように調整してくれる、大切なアイテムです。
レギュレーターを選ぶ際には、シュノーケル同様に口のサイズに合ったものを選択しましょう。
サイズだけでなく、自身の肺活量に合っているかといった点も重要となります。
呼吸が苦しいと感じては、ダイビングを楽しめなくなってしまいます。
実際にレギュレーターを使用してみて、合わないと感じたらインストラクターに申し出てください。
ダイビングに慣れたら、自分専用のレギュレーターを購入すると良いでしょう。
●オクトパス
レギュレーターの代役として使用されるのが、オクトパスです。
レギュレーターが故障した際に代わりに使用したり、バディ(一緒に潜っているパートナー)のエアが無くなったりした際に使用します。
ダイビングで実際に使用することはまずありませんが、緊急時に備えて、オクトパスの使用方法をしっかりと把握しておきましょう。
オクトパスは、選び方よりも使い方が重要となるアイテムですが、もしも購入を検討しているのであれば、レギュレーターと同じメーカーのものがおすすめです。
同じメーカーであれば、圧力調整で不具合が出る心配はないでしょう。
●コンソールゲージ
タンクのエア残量を示す残圧計と深度を示す水深計、コンパスが一体となった計器盤が、コンソールゲージです。
エア残量や深度を把握することで、自身の状態を確認することができます。
安全かつ快適に楽しむためにも、ダイビング中によく目にするアイテムです。
コンソールゲージのデザインやレイアウトはメーカーによって異なるので、ダイビングに慣れてきたという人は、見慣れているメーカーのものを購入すると良いでしょう。
海外製品は、日本製品とは残圧系の単位が異なることがあるので、注意してください。
レンタルでコンソールゲージを使用する際には、インストラクターに計器のチェックの仕方を教わっておきましょう。
●ダイブコンピューター
コンソールゲージ同様に、ダイビング中に重要な情報を教えてくれるのが、ダイブコンピューター(ダイバーズウォッチ)です。
腕時計のような見た目のダイブコンピューターは、水中に滞在できる時間やダイビングの経過時間、水温や深度といったさまざまな情報を数値で教えてくれます。
潜ったデータを残せるので、ログブックの記入にも役立つという優れものです。
メーカーによって機能やデザインはさまざまで、価格も安いもので3万円程度、高いものなら10万円以上と幅広いです。
ダイバーなら必ず持っておきたいアイテムではありますが、安価ではないので、初めのうちはダイブコンピューターを持つインストラクターから情報を共有してもらうと良いでしょう。
●メッシュバッグ
ダイビング器材の持ち運びに役立つのが、通気性の良いメッシュバッグです。
横型のバッグタイプが一般的ですが、縦型のリュックタイプもあるので、使い勝手の良い方を選択してください。
ダイビング器材は重く、水に濡れるものなので、メッシュバッグを購入する際には、頑丈で通気性の良いものを選んでおくと安心です。
ダイビング器材をレンタルする場合はショップが用意してくれるので、自前のダイビング器材を購入するタイミングで、併せてメッシュバッグも購入しましょう。
●キャリーバッグ
船やビーチに器材を運ぶのならメッシュバッグで十分ですが、しっかりと梱包して旅先に器材を持って行く場合には、キャリーバッグが役立ちます。
旅行用のキャリーバッグと同様の造りですが、ダイビング用のキャリーバッグ(ダイビングバッグ)は、頑丈で器材を収納しやすい造りになっています。
頻繁に器材を持って電車や飛行機で移動するという人は、ダイビング用のキャリーバッグを一つ持っておくと良いでしょう。
大容量のキャリーバッグにはたくさん器材を収納できますが、その分重くなるので、持ち運びの際にケガをしないように注意してください。
自身の体格に合わせて、持ち運びやすいタイプのキャリーバッグを選びましょう。
●ウエイトベルト
ダイビング中に浮力を調整するために用いられるのが、ウエイトベルトです。
基本的にダイビングの機材は重さがありますが、BCDやウェットスーツのように、アイテムそのものに浮力があると上手く沈めません。
そのため、ウエイトベルトもダイビングに必須のアイテムだといえます。
ウエイトベルトには、腰を保護するクッション付きのタイプや、ベルトではなく着込めるスタイルのベストタイプもあります。
ウエイトベルトはレンタルで使用できますが、毎回ベルトの調整が面倒だという人は、自分専用のものを購入しておくと良いでしょう。
●ダイバーズナイフ
水中には、ロープや海藻、釣り糸など、体に絡まりやすいものがたくさん存在します。
身動きが取れなくなった時に役立つのが、ダイバーズナイフです。
ダイバーズナイフは、海底に突き刺して流されないように体を固定したりタンクを叩いてバディを呼んだりと、さまざまな使い方ができるアイテムです。
ダイビングの際には、必ず1本は携帯しておきましょう。
ダイバーズナイフには、両刃タイプや先端が平らになったものなど、さまざまなタイプがあります。
使い勝手が良いものを選ぶのが一番ですが、あまりに大きいサイズだと法律に引っかかる可能性があるので注意してください。
●水中ライト
ナイトダイビングやケープダイビング(洞窟でのダイビング)で役立つのが、水中ライトです。
深く潜るほど日の光は届きにくくなるので、日中のダイビングでも水中ライトが役立ちます。
水中生物の観察や暗がりでの安全確認、バディへの合図など、ダイバーズナイフ同様にさまざまな方法で活用できるアイテムです。
セーフティグッズとしての役割も大きいので、ダイビングの際には必ず携帯しましょう。
水中ライトは、ポケットに収納できる小型タイプから、ナイトダイビング向けの光量のある大型タイプまでさまざまな種類があります。
3千円以内で購入できるものも多いので、お気に入りの水中ライトを探してみてください。
●水中カメラ
必須アイテムではありませんが、ダイビングの記録を思い出として残したいときに役立つのが、水中カメラです。
珍しい生物をカメラに収めて、ポストカードを作ったりSNSに載せたりと、ダイビングの後にも楽しめるアイテムです。
水中カメラには、デジカメのようなコンパクトなタイプから、本格的な一眼レフカメラまでさまざまな種類があります。
1万円台から10万円以上するものまで価格帯も幅広いので、用途に合わせて選択しましょう。
ダイビング初心者さんは手頃な水中カメラを購入しても良いですが、カメラ専門のレンタルサービスを利用して、さまざまな水中カメラの使い勝手を確かめてから、気に入ったものを購入するという方法もおすすめです。
●スレート
ダイビング中のバディとのコミュニケーションで役立つのが、スレート(水中ノート)です。
プラスチック製のノートにマグネットペンでイラストを描くことができるスレートは、バディとの会話だけでなく、見たものを記録したいときにも役立ちます。
地形や水中生物など、覚えておきたい情報はその場でスケッチしましょう。
ダイビングの必須アイテムとはいえませんが、スレートがあればダイビングの時間がより楽しいものになります。
小さなものから大きなものまでさまざまなタイプがありますが、あまりにサイズが大きいと移動の邪魔になるので、購入するなら持ち運びのしやすいものを選びましょう。
●シグナルフロート
頻繁に使うものではありませんが、緊急時や船の仲間への合図で使用されるのが、シグナルフロートです。
シグナルフロートは、空気を送り込むと膨らみ、水面に自立するアイテムで、海上での捜索や船の仲間に見つけてもらいやすくなります。
シグナルフロートには、ホイッスルが付いているタイプのものもあるので、目印と音の二つから捜索してもらいやすくなります。
シグナルフロートもダイビングの必須アイテムではありませんが、緊急時に備えて、一つ用意しておくと良いでしょう。
●まとめ
ダイビングには、スーツやBCD、マスクやフィンといった基本的なアイテムの他にも、緊急時に役立つダイバーズナイフやシグナルフロート、楽しむために必要な水中カメラやスレートなど、さまざまなアイテムがあります。
初心者さんが一度に揃えることは難しいので、ダイビングを楽しみながら、一つ一つ自分専用のアイテムを揃えると良いでしょう。
お気に入りのダイビング器材を少しずつ揃えるというのも、ダイビングの楽しみ方の一つだといえます。