ダイビングのレギュレーターとは?役割や選び方、お手入れ方法まで
ダイビングで欠かせない器材の一つとして、レギュレーターが挙げられるでしょう。
レギュレーターとタンクがあることで、水中でも呼吸が可能になり、海の世界をじっくり楽しむ余裕が生まれます。
空気を調節してくれるレギュレーターは大切な器材で、どれを選んでも同じということはありません。
ここでは、レギュレーターの役割や選び方、お手入れ方法まで詳しく解説いたします。
●ダイビングレギュレーターの仕組み
ダイビングで使用するレギュレーターは、主に「ファーストステージ」と「セカンドステージ」の2つで構成されています。
●ファーストステージとは
レギュレーターのタンクとつながっている部分のことを、「ファーストステージ」といいます。
ファーストステージでは、一次減圧を行います。
タンク内には圧縮された空気が入っており、そのままでは吸えません。
そのため、周囲の水圧に合わせて空気を大きく減圧するのが、ファーストステージの役割です。
現在の主流は、「バランスピストンタイプ」、「バランスダイアフラムタイプ」、「スタンダード(アンバランスド)ピストン」の3種類で、それぞれ特徴が異なります。
●セカンドステージとは
レギュレーターの口で直接咥える部分のことを、「セカンドステージ」といいます。
セカンドステージの役割は、二次減圧です。
水深によってどれほど減圧すれば良いかが変わるため、現在の水深に合わせ、セカンドステージで微調整を行っています。
ファーストステージとセカンドステージが組み合わさって、ようやく水中で最適な空気が供給されるようになります。
セカンドステージも、主流となっているのは3種類です。
「バランスタイプ」、「ダウンストリームタイプ」、「ダウンストリームタイプ+バイパスチューブ」があります。
●ダイビングレギュレーター選びのポイント
●咥えやすさ
レギュレーターで最初に確認したいのが、咥えやすさです。
レギュレーターは、ダイビング中にずっと咥えることになります。
そのため自分に合っていないと、口が疲れたり、顎が痛くなったりといったトラブルがあり得るのです。
マウスピースは、同じメーカーなら別売りのものにも交換できることがほとんどです。
歯型に合わせて変形してくれるマウスピースもあるので、自分の口に合ったサイズ・形を選びましょう。
レギュレーターは重さを見て、体力に自信がない方ほど軽いレギュレーターを選ぶことがポイントになります。
ホースが可動式になっているものは、咥えやすい位置に調節がしやすいでしょう。
●呼吸しやすさ
レギュレーターは、呼吸のしやすさも大事です。
ファーストステージでは、安価で簡単な作りになっている「スタンダード(アンバランスド)ピストン」は、あまりおすすめできません。
「バランスピストンタイプ」か「バランスダイアフラムタイプ」であれば、安定して空気を供給してくれるため、このいずれかから選ぶと良いでしょう。
セカンドステージは、「ダウンストリームタイプ」が多く販売されています。
ダウンストリームタイプも良いですが、中圧室に空気が一定に保たれている高性能な「バランスタイプ」か、機能を付け足した「ダウンストリームタイプ+バイパスチューブ」の方が、呼吸しやすいためおすすめです。
また、流量調節用のノブ(レバー)がついているかも見てみましょう。
ノブで呼吸抵抗を調節可能で、呼吸抵抗を小さくすると呼吸しやすくなります。
上級者なら、敢えて呼吸抵抗を増やし、空気消費量を抑えて長く潜水するといったテクニックも使えます。
●ダイビング用レギュレーターの価格相場
レギュレーターの価格は幅広く、スペックによって大きく異なります。
約3万円で購入できる安価なものもあれば、30万円以上にもなる高スペックなレギュレーターも存在します。
初心者であれば7~10万円ほど、長くダイビングを続ける方であれば20万円ほどが相場になるでしょう。
寒冷地仕様や深度が深い場所用など、専門的なレギュレーターほど高価ですが、耐久性を考えると、しっかりしたものを選ぶ必要があります。
また、海中で喉が渇きにくい湿度調整機能を備えた高機能なレギュレーターもあるため、必要に応じて検討するのがおすすめです。
高価なレギュレーターを購入するときほど、レンタルで使い心地を確かめたり、スクールやショップで相談したりと、慎重に動くようにしましょう。
●レギュレーターのお手入れの仕方は?
レギュレーターは、メンテナンス次第で10年近く使えます。
トラブルが起きても、専門家にオーバーホールしてもらうことは可能ですが、日頃からのお手入れが大切です。
ダイビング後はしっかり洗浄するようにしましょう。
ここで、お手入れ方法のポイントをご紹介します。
●まずは真水に浸して洗う
ダイビングでは、レギュレーターが海水を被っています。
海水の中には汚れも含まれるため、錆びや詰まり、カビなどを起こす原因になってしまうでしょう。
そのため、真水を用いて洗う必要があるのです。
まずはレギュレーターのダストキャップが閉まっているかを確認します。
きちんと閉まっていないと、ホース内全体に水が入ってカビが発生することになります。
ダイビング後は閉め忘れが多いため、注意が必要です。
その後、ファーストステージ以外を真水に浸して、5~10分ほど待ちます。
●可動部の汚れを落とす
真水に浸したまま、セカンドステージの可動部を動かしてみましょう。
セカンドステージにはさまざまな可動部があり、動くということは、その隙間にさまざまな汚れが入り込むことを意味しています。
砂、固まった塩、海中の汚れなどが入って不具合が起きないように、水やブラシなども使って丁寧に洗い流してください。
ただ、ダストキャップを開いてしまうパージボタンは、誤って押さないようにしましょう。
●セカンドステージ内部とレギュレーター全体を洗い落とす
マウスピースやオクトパスの口にホースを差し込み、内部を30秒ほど洗い流します。
水に浸すだけでは、落ちない細かな汚れがあるものです。
カビやぬめりの原因になる唾液も、レギュレーター内部から水流で押し流すことができます。
さらに、ファーストステージやホース類なども含め、全体を30秒ほど水で洗います。
あとは水を切って、しっかり乾燥させれば、お手入れが完了です。
●まとめ
レギュレーターの役割や選び方、お手入れ方法まで詳しく解説しましたが、いかがだったでしょうか。
レギュレーターは、水中での呼吸を可能にしてくれる、大事な器材です。
初心者のうちは8~10万円、長くダイビングを続ける方なら20万円ほどで、咥えやすさや呼吸のしやすさなどに注目して選びましょう。
オーシャンステージでは、体験ダイビングやダイビングツアーを実施しています。
レギュレーターもレンタル(洗浄・消毒済み)しており、実際のレギュレーターの付け心地までしっかり試すことができます。
この機会に、ぜひオーシャンステージの体験ダイビングやダイビングツアーにお申し込みください。