ダイビング直後は飛行機に乗っちゃだめ?知らないと怖い減圧症とは
楽しい旅行や観光は、時間いっぱい楽しみたいものです。
「ダイビングの予定を最終日に入れれば、疲れても飛行機で眠れるから問題ない」なんて考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ダイビング後は飛行機に乗るのは危険です。
「減圧症(げんあつしょう)」が出るおそれがあるため、時間を空ける必要があります。
ここでは、ダイビングの際に飛行機を利用する方に向けて、減圧症について詳しく解説します。
目次
●ダイビング後に飛行機に乗ると起こりうる「減圧症」とは
一般的に、圧は低い場所ほど増え、高所ほど減ります。
ダイビング後に飛行機に乗ると、急激に減圧され、「減圧症」という症状が出てくることがあります。
ここで、減圧症の症状や原因を見てみましょう。
●減圧症の症状
減圧症の症状は幅広く、軽度から重度まであります。
軽度であれば、疲労感や筋肉痛、関節痛、皮膚のかゆみ、めまいなどが現れることが多いです。
中程度の症状では、手足のしびれ、吐き気、発疹が出るなどします。
重度になると、脳梗塞や心筋梗塞、麻痺、呼吸困難などが引き起こされ、場合によっては後遺症が残ってしまうこともあります。
潜っただけだからと軽く考えず、ダイビング後は必ず気を付ける必要があるのです。
●飛行機に乗って減圧症が起きる原因
減圧症の原因は、ダイビングで溜まった窒素の気泡化です。
窒素は通常の空気にも含まれますが、水圧により圧縮された窒素は、より体に溶け込んで蓄積されます。
通常であれば、体内に溜まった窒素は呼吸によって排出されていくので、問題ありません。
しかし、高所のような気圧が低い場所へ移動すると、圧によって血中に溶かされていた窒素が気泡化しやすくなってしまうのです。
窒素が気泡化すると、血管を詰まらせたり、体組織を圧迫したりと悪さをするようになるため、注意する必要があります。
●ダイビングから飛行機搭乗まではどのくらいの時間を空ければ良いの?
減圧症はおそろしいですが、ダイビング後、何日も飛行機に乗ってはいけないというわけではありません。
1日に1回潜ったのであれば12時間ほど、1日に複数回、あるいは連日潜ったのであれば、最低でも18時間は空けることが推奨されています。
もちろん、個人差や体調にもよります。不安な方は1日ほど空けると安心です。
●飛行機に乗った後にダイビングはしても良いの?
逆に、「飛行機に乗った後のダイビングはどうか?」、と不安に方もいらっしゃるでしょう。
飛行機に乗った直後では、窒素が体内に溜まっておらず、減圧症の心配はありません。
そのため、基本的にダイビングをしても問題はないといえます。
ただし、慣れない早朝に飛行機に乗ったり、長い区間をフライトしたりすれば疲れが蓄積されています。
エコノミークラス症候群や脱水など、体調不良になればダイビングができないことがあります。
また、移動中に飲酒した場合もダイビングを断られることがあるので、注意が必要です。
●ダイビングは日程に余裕を持って行おう
減圧症を避け、ダイビングを十分に楽しむためには、日程に余裕を持たせ、体力を確保することが重要になります。
特に旅行や観光といった形で、遠路はるばるやってきた場合は、少ない日数に予定を詰め込んでしまいがちです。
ダイビングを楽しむなら、少ない日数できついスケジュールを組まないように気を付けましょう。
なお、減圧症は高所で症状が出るもののため、標高が高い場所へ移動する場合も注意が必要です。
山やタワーなど、高所にある観光地を回る際は、日を空けるかダイビング前に回るように工夫しましょう。
●ダイビングはどんな日程を組むと体に負担がない?
ダイビングを安全に楽しむなら、帰りの飛行機に乗る前日までにダイビングを終わらせることが大事です。
具体的に、2泊3日の予定で組むことを想定してみましょう。
ダイビングを1回行うのであれば、飛行機には最低12時間乗ることができません。
そのため、2日目の午前中にダイビングを終わらせたのであれば、3日目はいつ飛行機に乗っても良い計算になります。
連日ダイビングをした場合や、1日に2ダイブをした場合は、最低18時間の期間が必要です。
例えば2日目の午前中にダイビングが終了すれば、3日目の午前6時以降には飛行機に乗れるようになるでしょう。
2ダイブして終了時間が午後にずれ込んだ場合でも、午後7時に終わらせれば次の日の午後13時以降には飛行機に乗ることが可能です。
●飛行機搭乗の前日のダイビングはどう楽しむべき?
ダイビングが好きで、連日楽しみたいという方は多いでしょう。
確かに、余裕を持たせれば、飛行機搭乗の前日までダイビングは可能です。
しかし体のことを考えると、前日の夜までナイトダイビング…というような潜り方は、リスクがあります。
前日までダイビングを楽しむ場合は、体に負荷がかかりにくい浅いポイントでダイビングを楽しんだり、酸素濃度の高いボンベを持ったりと、体を労わりながら楽しむことが大事です。
もちろん、飛行機搭乗までに18時間以上空けられるように調整しましょう。
●減圧症の予防に大切なことは?
減圧症を予防するために、大切な事柄がいくつかあります。
減圧症は、蓄積された窒素が気泡化することで引き起こされます。
まずはダイビング後、気泡化を招きやすい高所には行かないようにしましょう。
さらに、減圧停止や、無減圧潜水時間ギリギリのダイビングなど、窒素が溜まりやすい激しいダイビングをした後は、温浴を避けます。
温泉地では温浴も楽しみの一つですが、末端まで血管が膨張すると、窒素の排出が遅れる可能性があるためです。
同様の理由で、血管膨張を招く飲酒、激しい運動、マッサージなどは避けるべきといえます。
他にも、脱水によって血液循環が滞ったり、体調不良によって窒素の排出が遅れたりといったこともあり得ます。
激しいダイビングをしたときほど、急激に体調を変化させないよう、慎重に動くことが大切です。
●減圧症が起きたら?
ダイビング後に飛行機に乗らなかったとしても、もしかしたら知らず高所に移動してしまい、減圧症の症状が出ることがあるかもしれません。
十分な休息を取ったつもりでも、窒素の排出速度は個人差もあります。
一度減圧症の症状が出ると、最初は軽度でも、急激に体調が悪くなることがあり得ます。
少しでも異常が見られたら、時間を置かず医療機関に連絡することが大切です。
ダイビング履歴や、症状が出るまでどの程度の時間が空いているか、今どのような症状が出ているかなどを、できる限り細かく報告しましょう。
一人旅も楽しいものですが、一人では対応が難しいこともあるため、家族や友人と一緒にダイビングに行くと安心です。
●まとめ
一見すると、ダイビングと飛行機は無関係に思えるかもしれません。
しかし、意外にも減圧症というリスクがあり、注意しなければならないポイントが存在しています。
減圧症を防ぐために、ダイビング後は高所に行かない、余裕を持ったスケジュールを組むなど、対策をぜひ覚えておきましょう。
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